つるが鳶とは

ABOUT

つるが鳶は、福井県敦賀市の敦賀消防団によって結成された、地域に根ざし伝統を受け継ぐ消防鳶隊です。

伝統と心意気

伝統芸である『はしご乗り』を通じて、防火意識の大切さを地域に発信しています。地域行事での演技披露では、迫力ある技とともに火災予防への関心を高め、次世代への防火啓発にもつなげています。多世代の消防団員が所属し、世代を超えて技術と心意気を磨き合いながら、地域に根ざした活動を続けています。

 

つるが鳶を支える

2つのかたち

TOGETHER


つるが鳶隊を応援するには、参加と支援の2つの方法があります。

つるが鳶隊として参加する

つるが鳶は、敦賀消防団内の消防鳶隊として活動しており、参加には敦賀消防団への入団が必要です。 地域の防火・防災活動に取り組みながら、伝統の技と心を次の世代へ受け継いでいきます。

つるが鳶保存会の 賛助会員として支援する

つるが鳶保存会は、つるが鳶隊とその活動を支える人々によって構成される組織です。 賛助会員としてのご参加は、運営や実働には関わらず、賛助会費を通じて活動を支えていただくかたちです。 つるが鳶の伝統を未来へつなぐためには、皆さまのご支援が必要です。 無理のない方法で、地域の伝統を守る力になっていただけます。

つるが鳶の歩み

HISTORY

敦賀消防団消防鳶隊「つるが鳶」は、伝統的な「はしご乗り」の技を通じて、防火の啓発や地域の活性化に貢献してきました。その歴史は平成17年の提案・検討から始まり、現在は敦賀まつりと出初式で演技を披露しています。
平成17年(2005) ・消防団活動の強化策として「はしご乗り」導入を提案。消防本部・消防署・団幹部会で協議し、事業化を決定。
・金沢市「加賀百万石まつり」を視察。全分団の総意により実施を決定。
平成18年(2006) ・「はしご隊」の編成を決定(各隊20名、乗り手・持ち手・纏持ちなど役割分担)。
・初の全体訓練を実施。
平成19年(2007)

・成人の日、出初式で初披露(壱~参番隊、総勢49名)。以降毎年演技を継続。
・敦賀美方消防組合消防大会で演技披露。

平成20年(2008) ・敦賀まつりで初披露。以降毎年、山車巡行にあわせて演技。
・「つるが鳶木遣り唄」制作を決定。
平成21年(2009) ・「つるが鳶木遣り唄」完成(敦賀市気比民謡会吹き込み)。
平成24年(2012) ・敦賀消防署消防訓練センター完成(鳶訓練用固定はしご設置)。
・ナホトカ市(ロシア)で演技披露。
・越前三国鳶との合同訓練を実施。
平成28年(2016) ・東海北陸社会教育研究大会福井大会にて演技披露。
令和5年(2023) ・北陸地区スポーツ推進委員研修会で演技披露。
令和6年(2024) ・つるが鳶保存会発足。
・敦賀まつりにて保存会として初演技。
令和7年(2025) ・出初式にて保存会として初演技。

つるが鳶の技と魅力

FEATURES

つるが鳶が披露するはしご乗りは、江戸時代に生まれた消防伝統の妙技です。高さ6メートルのはしごの上で繰り広げられるその迫力は、観る人を惹きつけながら消防の歴史と志を伝えます。

主な特徴

高さ6メートルのはしごの上で、3隊が同時に繰り広げる華麗な演技を支えるのは、人力で支える持ち手と、乗り手の完璧なチームワーク。その結実として、一糸乱れぬ演技が可能となります。

演技中には、つるが鳶オリジナルの技である、たすきに片方の足を掛け手を放して回転する「ねずみ返し」をはじめ、「逆さ乗り」「片手乗り」「大の字」「肝返り」など、34種の技が披露されます。技ごとに駆使される肢体のしなやかさと力強さは、まさに勇壮そのものです。

演技の合間には、勇ましい木遣り唄とともに纏(まとい)振りも加わり、江戸の火消し文化を感じさせる場面が生まれます。

技に込められた意味

はしご乗りはもともと火災現場での見張りや火勢確認の技術で、現在は防火啓発や地域の伝統継承の重要な役割を果たしています。その裏には日々の厳しい訓練と安全管理があり、つるが鳶の演技は単なる見世物ではなく、地域の安全を願い「守りの文化」を未来へつなぐ力強い表現です。

つるが鳶木遣り唄

歌い出しの「ハアーアーエーーーつるが鳶だよ いなせな姿」は、地域への誇りと演技への気概を強く表しています。「纏かついで火柱こえて」「命をかけて」というフレーズには、消防鳶としての覚悟と華やかさが込められています。この唄は出初式の法被姿や梯子、半鐘の響き、「みなと敦賀」「気比の松原」といった地域の風景を描き、つるが鳶衆の晴れ姿を伝えています。防火精神と地域文化への愛を力強く歌った「守りの文化」の象徴です。
(平成21年2月制作)